2025/02/04 14:22
黒檀――深く静かな輝きを纏う素材
黒く、硬く、重厚な存在感を持つ黒檀(こくたん)。
その漆黒の色合いと美しい木目は、古くから多くの人々を魅了してきました。
アクセサリーとして身につけることで、その静かで深みのある輝きを日常の中で感じることができます。
この硬く美しい黒檀という素材にインドで出会い、アクセサリー作りが始まりました。
黒檀とは
黒檀は、カキノキ科の広葉樹で、非常に硬く、緻密な木質を持つのが特徴です。
深い黒色が美しく、研磨すると光沢が増し、滑らかな質感になります。その強靭さから、古くは家具や楽器、刀の鞘などにも使われてきました。
黒檀の歴史と文化
黒檀の歴史は長く、中国や日本では古くから貴重な素材として扱われてきました。
特に仏具や茶道具、武具など、高貴な品々に使用されることが多かったのは、その深い色合いが持つ神秘性と、長く変わらない堅牢さが理由です。
また、西洋では18世紀ごろから高級家具の素材として珍重され、フランスのルイ王朝時代には「エボニー」として宮廷家具に用いられていました。
近年の流通量は年々減少していることから、その価値がますます高まっています。
産地と種類
黒檀は主にアフリカや東南アジア、インドなどで産出されます。
私が使っているのは中央インドに位置するマディア・プラテッシュ州というところで育った黒檀です。
漆黒の中にわずかに褐色の模様が見られることがあり、落ち着いた雰囲気。
産地によって微妙に異なる表情を見せる黒檀ですが、どれも独特の存在感を持っています。
京都の植物園の黒檀の木(まだ小さくて可愛らしい木でした)
黒檀の魅力
黒檀の最大の魅力は、硬さと色ではないでしょうか
比重はは日本で一般的に使用される桐材の約4倍の重さ、硬度の高さから耐久性にも優れているのです。
そしてその深みのある黒色と滑らかな質感です。
使い込むほどに艶が増し、時間とともに美しく変化していきます。
また、木の温もりを感じさせながらも、金属のように硬く、ひんやりとした触感があるのも特徴です。
アクセサリーとしての黒檀
その強さと美しさを兼ね備えた黒檀は、アクセサリーとしても非常に魅力的な素材です。
ペンダントやバングル、リングなど、シンプルなデザインであっても存在感があり、落ち着いた雰囲気を演出します。
硬い素材ゆえに細かい彫りを施すことができるのも黒檀だからできるのかもしれません。
また、黒檀と金属や天然石を組み合わせることで、より洗練された印象を与えることができます。
その奥深い輝きは、流行に左右されず、長く愛用できるアクセサリーとしての魅力を持っています。
黒檀アクセサリーのお手入れ
黒檀はとても硬く丈夫な素材ですが、乾燥や多湿にはやや注意が必要です。美しい光沢を保つために、以下のようなお手入れをおすすめします。
- 乾燥を防ぐために、長時間直射日光を避ける。
- 水に濡れないようにしてください。
- 時々、柔らかい布で乾拭きしてください。
- 必要に応じて、天然の木工用ワックスを少量なじませる。(オイルはお勧めしておりません)
適切なお手入れをすることで、黒檀のアクセサリーは年月を経るごとに味わいを増し、自分だけの特別な存在になっていきます。
まとめ
黒檀は、その重厚な美しさと堅牢さから、長い歴史の中で多くの人々に愛されてきました。アクセサリーとして身につけることで、静かで深みのある輝きを肌で感じることができます。しっとりとした黒の艶やかさを、ぜひ日常の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。